山間部の道路は、トンネルや長い坂道、急なカーブなどが多く、一般道路とは異なるさまざまな危険が潜んでいます。
そこでトンネルや坂道、カーブなどを安全に走行するためのポイントをまとめてみました。
トンネルを走行するとき
(1)
トンネルに進入した直後は暗さに目が慣れず、周囲がよく見えなくなりますから、
トンネルに入る手前で速度を落とすとともに、前車との車間距離をとっておきましょう。
(2)
トンネル内は暗いため、前車の速度や車間距離などがつかみにくくなります。
トンネル内では照明設備がある場合でも、ベッドライトを点灯して状況を
認識しやすくしましょう。
(3)トンネル内は圧迫感があるため不安や焦りの気持ちから運転ミスも生じやすくなります。
車両通行帯があり追越しができる場合でも、できるだけ追越しは避けるようにしましょう。
(4)
トンネルを出たときに強い横風を受け、ハンドルをとられることがあります。
このようなとき、あわてて急ハンドルを切るとスリップする危険があります。
トンネルを出る前にしっかりハンドルを握っておきましょう。
(5)
トンネルの入口と出口では
天候が変わっていることがありますから(図)、
出口に近づいたときには、
天候にも注意しましょう。
未舗装路を走行するとき
(1)
山道走行では、土の道や砂利道などの
未舗装路を走行することがあります。
未舗装路ではハンドルをとられやすくなるため、
急ハンドルや急加速などの操作は避けましょう。
(2)
路面にくぼみがある場合はくぼみの部分を
またぎ、凸部がある場合は車の底を
こすらないように凸部を避けるか、
片輪を乗せてゆっくり走行しましょう。
(3)道路がぬかるんでいるときは、ぬかるみを避けるか、
ぬかるみの深さを確認しながら、まっすぐ走り抜けるようにしましょう。
坂道を走行するとき
(1)
下り坂では加速度がつくため
停止距離も長くなりますから、
前車との車間距離を十分にとって、
前車の急な減速や停止にも
対応できるようにしておきましょう。
(2)
長い下り坂でフットブレーキを使い過ぎると、
ブレーキが効かなくなることがあります。
低速ギアにしてエンジンブレーキを活用し、
フットブレーキは必要最低限の使用にとどめましょう。
(3)
上り坂で前車に続いて停止するとき、あまり接近し過ぎると、
発進時に後退した前車と接触する危険があります。
上り坂で前車に続いて停止するときは、前車の後退を予測し
十分な車間距離をとっておきましょう。
(4)
上り坂の頂上付近はその先が死角となり、自車も対向車も互いに
相手の発見が遅れてしまいます (図)。
車線を守って走行するとともに、坂道の頂上付近では必ず徐行して進行しましょう。
(5)
狭い坂道で対向車とすれ違う場合は、下りの車が停止して上りの車に道を譲りましょう。
ただし、上りの車の近くに待避所がある場合は、
上りの車でも待避所に入って下りの車の通過を待ちましょう。
(6)
片側が崖になっていて、安全な行き違いができない場合は、
崖側の車が一時停止して道を譲りましょう。
カーブを走行するとき
(1)
カーブ走行の基本は、カーブの状況に応じて
手前で十分に減速するということです。
特に長い直線が続いた後のカーブは、
スピードを出したまま進入しがちですから、
十分注意しましょう。
また、前車があるときは、カーブ手前での
減速などを予測して、車間距離を十分に
確保しておきましょう。
(2)
右カーブでは、ショートカットのような形で気づかずにセンターラインを
はみ出すことがあり、対向車がいる場合には正面衝突する危険があります(上図)。
センターラインをしっかり確認しながら走行しましょう。
(3)
見通しの悪い左カーブではカーブの先の
停止車両や落石などに気づくのが遅れて
衝突する危険がありますから、これらの
危険に余裕を持って対処できるように、
十分減速して進入しましょう。
(4)
カーブでのハンドルとブレーキの
同時操作はスリップの原因となり
大変危険ですから避けましょう。