歩行者や自転車との接触事故は重大事故につながる可能性が高いため、
運転においては歩行者、自転車などには特に注意する必要があります。
そこで今回は、道路交通法に定められている歩行者や自転車などの
交通弱者を保護するためのルールを確認しましょう。
交通弱者を保護するためのルール
横断歩道のない交差点やその付近を通過するとき
交差点や交差点近くで横断歩道が設けられていない
場所を歩行者が横断しているときは、
歩行者の通行を 妨げてはいけません
(道路交通法第38条の2)。
ぬかるみや水たまりを通過するとき
ぬかるみや水たまりを通るときは徐行するなどして、
歩行者に水はねなどの迷惑をかけないようにしなくてはいけません
(道路交通法第71条第1 号)。
横断歩道や自転車横断帯に近づいたとき
車で横断歩道や自転車横断帯に接近したときは、
次のような運転をしなくてはいけません (道路交通法第38条第1項)。
(1)横断する歩行者や自転車がいないことが明らかなときは、そのまま進むことができます。
(2)横断する歩行者や自転車がいるかいないか明らかでないときは、 横断歩道等の手前
線がある場合は停止線の手前)で停止できる速度に落として進まなくてはいけません。
(3)歩行者や自転車が横断していたり、横断しようとしているときは、
横断歩道等の手前(停止 線がある場合は停止線の手前)で一時停止をして道を譲らなければいけません。
また、交通整理の行われていない横断歩道や自転車横断帯
(青信号の交差点を右左折するときの右左折先の横断歩道等も含む)を通過するとき、
横断歩道等の手前に車などが止まっている場合は、その車などの前方に出る前に
一時停止しなくてはいけません(道路交通法第38条第2 項)。
横断歩道、自転車横断帯手前での追い越し、追い抜きの禁止
横断歩道や自転車横断帯またはその手前30 メートル以内では
車(自転車などの軽車両を除く)を追い越したり、
追い抜いてはいけません(道路交通法第30条第3号、第38条第3項)。
歩道や路側帯を横切るとき
道路に面した駐車場などに出入りするため、
歩道や路側帯を横切るときは、たとえ歩行者が
いないときでも、歩道等の手前で一時停止を
しなければいけません。
もちろん、歩行者がいるときはその通行を
妨げてはいけません (道路交通法第17条第2項)。
歩行者のそばを通過するとき
歩道や車道の区別がない道路を走行するときは、
歩行者との間に安全な間隔をあけなければいけません。
また、それが無理な場合は徐行しなければいけません(道路交通法第18 条第2項)。
安全な間隔については特に決まりはありませんが、
不意に歩行者が横断を始めるような場合でも歩行者の安全が図られるに
十分な間隔をあけておくのがよいでしょう。
歩行者には、身体障害者用の車椅子( 電動車椅子を含む) 、
小児用の車、歩行補助車のほか、二輪車(側車付きのものや他の車両を
牽引しているものは除く)や自転車を押して歩く者などが含まれます。
なお、自転車も歩行者に対する場合と同様な注意が必要です。
高齢者や監護者なしの幼児などのそばを通過するとき
「身体障害者用の車椅子で通行する人」、 「盲導犬を連れた人」
「監護者が付き添わない児童、幼児」、 「高齢者」などが歩行しているときは、
一時停止や徐行をして通行を妨げないようにしなくてはいけません
(道路交通法第71条第2号、第71 条第2号の2)。
停止中の通園バスのそばを通過するとき
児童や幼児などを乗り降りさせるために停止している通学、通園バスのそばを通過するときは、
徐行して安全を確かめなくてはいけません
(道路交通法第71条第2号の3)。
また、歩行者がいる安全地帯のそばを通過するときは、徐行しなければいけません(道路交通法第71条第3号)。
運転にさいしては、これらの交通ルールを守るとともに、
誰もが安心して道路を利用できるよう安全な運転を心がけましょう。