大地震後の対応と平時の対策

大地震後の対応と平時の対策

大地震が起こったとき、身の安全を確保することはもちろんですが、被害を最小限におさえ、復興までの生活で生じる問題を軽減させるには、どのような対応と事前の準備が必要か考えてみましょう。

通電火災の防止

1995年の兵庫県南部地震では、地震発生後、しばらく時間が経ってからも火災が発生しました。
原因は地震によって停電したものの、使用していた電気器具類がそのまま電源 ONの状態となっていたため、電気の復旧に伴って通電して火災につながったというものです。
このような通電火災を防止するため、大地震発生によって自宅に被害を受けて、やむを得ず避難するような場合には、必ずブレーカーを切ることが大切です。
また、同時にガスの元栓を締めることも忘れないようにしましょう。

トイレでの留意点

トイレは、1995年の兵庫県南部地震、2004年の新潟県中越地震の事例などを見ると、大地震発生時の最大の問題となります。日本では大人1人が、1日あたり60リットルの水をトイレのために使用していると言われているくらい、水洗トイレには大量の水を要します。
水洗トイレが主流の現在では、水が出ないと流せず、平時のように使用することができません。
浴槽のお湯を汲み置きしておいて、いざというときに使えるようにしておくなど、普段からの心掛けも大切です。 

水不足の中での水洗トイレの工夫

・新聞紙を便器に敷いて用を足した後、ビニール袋に入れて、ゴミ袋に捨てる。
・水を節約するため、拭いた紙はゴミ袋に捨てる。

その他
・市販の簡易トイレ・携帯トイレをあらかじめ用意しておく。
・地面に穴を掘り、足場と囲いを設けてトイレとして使用する。

避難所での生活の留意点

地震によって家屋が倒壊したり、倒壊する危険性があって住めない状態となってしまったりした場合、仮設住宅や移転先が決まるまで避難所で過ごすこととなります。避難所は学校の体育館など広い場所で、一人あたりのスペースがわずか畳1畳分程度しかなかったりするような場合もあります。
特に、集団での共同生活となるため、プライバシーが保たれなかったり、物音や明かりで睡眠を妨げられたりもします。
いずれにしても、普段と同じ生活ができるわけではないので、共同生活のルールを守る、協力し合うといったことが必要不可欠です。

ダンボール
ダンボールは、仕切りとしてプライバシーを少しでも保ったり、スペースを確保したりするのに役立つほか、床張りのところで寝泊りする場合は、敷くことによって床の硬さを和らげたり、温暖効果をもたらします。

アイマスク、耳栓
避難所では多くの人がいて、また防犯上、夜間でも電灯を消さない場合があるため、安眠のためにあると便利です。

地震保険への加入

地震保険は、被災者の生活の安定に資することを目的として、政府と損害保険会社が一体となって運営しています。
大地震等が発生した場合には巨額の保険金支払が予想されますが、その場合でも保険金支払に支障をきたさないように、 政府と損害保険会社とで支払責任を分担して負担する仕組みがとられています。
概要は、次のとおりです。

(1) 地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による損害を補償する地震

災害専用の保険です。
(※火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・拡大した損害は補償されません)

(2)居住用の建物と家財が対象です。

(3)火災保険にセットする方式での契約のため単独加入できず、火災保険への加入が前提となります。