道路には乗用車だけでなくトラックやバスなどさまざまな車両が走行しています。
交通事故を起こさないためには、それらの車両特性や走行特性などを
十分に理解しておくことが大切です。
そこで今回はトラック、バス、ダンプカーの周辺を走行するときの
注意のポイントを紹介しましょう。
1 トラックの周辺を走行するとき
オーバーハングによるはみ出しに注意する
車両の「オーバーハング」とは、前後の車輪の接地中心点から
外側にはみ出した車体の部分をいいます。
トラックの場合、特に後部のオーバーハングが長いため、
左折時などにオーバーハング部分が車線をはみ出し、思わぬ危険を招くことがあります。
片側1車線では、トラックの後部が対向車線にはみ出して
対向車と接触する危険があり(図1)、
片側2車線では、後続車と接触する危険があります(図2)。
したがって、前方に左折しようとしているトラックがあるときは、
オーバーハングによる車線のはみ出しを予測してトラックの動きによく注意するとともに、
車線に近寄りすぎないようにしましょう。
※トラックは内輪差が大きいため、狭い道へ左折するときにいったん
右にふくらむことがあります。このとき、トラックの前部が車線をはみ出すことも
ありますから、この点にも注意しましょう。
トラックに挟まれたら早めに抜け出す
前後をトラックに挟まれた状態で走行している乗用車は、
後方のトラックから見落とされることがあります。
トラックは運転席が高いためドライバーの視線が直前を走る車高の低い乗用車よりも、その先のトラックに向いてしまうことがあるからです。
そのため、前方のトラックがスピードを上げると、それにつられて後方のトラックもスピードを上げ、前を走る乗用車に追突するといった危険も生じます。
トラックに挟まれたときは、車線変更するなどしてできるだけ早くトラックの間から
抜け出すのが安全です。
2 バスの周辺を走行するとき
バス停付近ではバスや乗降客の動きに目を配る
バス停にバスが停車しているときは、特に次の点に注意しましょう。
(1)
乗降中で発進の様子がないバスを追い越すときは、
バスを降りた客がバスの前方から道路を横断してしてくるかもしれないと考えて、
スピードを落として進行しましょう。
また、バスに乗ろうとして道路の反対側から歩行者が横断してくることがありますから、道路の反対側にもしっかり目を配りましょう。
(2)
バスを追い越すときに対向車線へはみ出すおそれがあるときは、必ず対向車の有無を確認し、対向車が接近しているときは無理をせず通過を待ちましょう。
(3)
バスが発進の合図を出したときは、後方で停止するなどして発進を妨げないようにしましょう。
バスに急ブレーキをかけさせないよう配慮する
走行中のバスが急ブレーキをかけると、車内の乗客が転倒するなどの
事故につながります。
バスの前に急に割り込む、交差点を直進中のバスの直前を右折する、発進したバスを強引に追い越すといった、バスに急ブレーキをかけさせるような運転はやめましょう。
3 ダンプカーの後方を走行するとき
タイヤからの飛び石に注意する
工事現場を行き来しているダンプカーのタイヤには、
小石や砂利が挟まっていることがあります。
これらが 走行中に飛び出して後方を走行する車のフロントガラスなどに当たり破損させることがありますから、ダン プカーの後方を走行するときは、十分な車間距離をと っておくようにしましょう。
また、高速道路の加速車線ではタイヤに挟まった小石などが飛び出しやすいといわれていますから、高速道路を走行中に、ダンプカーが合流してきたときは、車線変更するなどしてダンプカーの後方につかないようにしましょう。