大地震や豪雨などの自然現象は、人間の力ではくい止めることはできませんが、災害への備え(減災)によって被害を減らすことが可能です。
「減災」とは、災害後の対応よりも事前の対応を重視し、できることから計画的に取り組んで、少しでも被害の軽減を図るようにすることをいいます。今回は、内閣府HP「減災のてびき」より「今すぐできる7 つの備え」について一部抜粋いたしますので、参考にしてはいかがでしょう。
災害被害を少なくする「自助」「共助」
「災害はひとごと」と思っていませんか?
行政による「公助」はいうまでもありませんが、自分の身は自分で守る 「自助」、地域や身近にいる人どうしが助け合う「共助」こそが、災害による被害を少なくするための大きな力となります。ただし、身のまわりの人を助けるには、まず自分自身が無事でなければなりません。
「自助」があっての「共助」です。災害が起きてからでは間に合いません。
ふだんできていないことを災害時に行うことはできません。平時から、「自分でできること」「家族でできること」「ご近所と力を合わせてできること」などについて考え、いつくるかわからない災害に備えておくことが大切です。
あなたのお宅は地震に耐えられますか?
あなたのお宅は、何年に建てられましたか?
昭和56(1981)年に、住宅の建物の強さを定める基準が大きく変わりました。この年以降に建てられているかどうかが、自分の家の強さを知る一つの目安となります。詳しくは、お住まいの市区町村役場の防災担当課に相談してみましょう。
建物を強くするための基礎知識を身につけましょう
建物の強さを左右しているのは、柱の間隔や壁、柱をななめに支えるすじかい(柱の間をクロスして補強するもの)の量などです。開口部が多い建物は揺れやすく、結果として地震に弱い建物といえます。ホームページなどで、建物の強さについて理解するための良い教材や、実験など
が紹介されています。一度自分の目で確かめたり、模型や教材などを使って実験してみると良いでしょう。
災害から命を守る 災害の怖さを知ろう(地震・室内編)
災害への備え(減災)はどうして必要なのでしょう?
近年、テレビや新聞、雑誌でさかんに防災や減災の取り組みが紹介されています。特に、ご家庭や暮らしの中でのひと工夫で実現できる「家具の転倒・落下防止」については、さまざまなグッズやアイデアが紹介されています。大地震のときには、多くの方が「家具類の転倒・落下」によって負傷してしまうことも判っています。ところが、実際に家具類の転倒防止対策を講じている人はわずか24.3%という調査結果があります。
まず知ろう
・大地震では、テレビが飛び、タンスがあなたの上に倒れかかってきます
・窓ガラスや食器は、鋭い破片を床一面に広げ、あなたの行く手をはばみます
・「生き残ってから」のことよりも、「生き残るため/死なないための努力」を先に行いましょう
備えよう
・家具の固定や配置の見直しで「安全空間」を!
家庭内に「安全空間」をつくっておくことで、災害時に安心して暮らせます。
「大地震では、家具は必ず倒れるもの」と考えて、お部屋の総点検を行いましょう。
◆日ごろから準備しておきたいもの
外出先でいつも身につけておきたいもの(例)
重要なことは、無意識に持って歩けるような気軽さです。大きさ・軽さもさることながら、サイフに入る、キーホルダーに付く、バッグや衣服のポケットに入れっぱなしにできるところがポイントです。
・自分に関する情報・・・身元や連絡先を記したカード、病院の診察券、病名・処方薬を書いたメモ
・状況を把握するため・・・ポケットラジオ、メモ帳・筆記具
・閉じ込められた時のため・・・笛、水、チョコレート等、口を覆うハンカチ
家庭やオフィスに常備しておきたいもの(例)
できるだけ、ふだんの生活の中に組み込んで、平時に無意識に更新されるものでまかないましょう。安価でどこでも入手しやすいものでないと、定期的に更新したり分散して置くことができません。例えば、ティッシュやトイレットペーパー、ラップ、アルミホイル、大型ゴミ袋、水のペットボトルなどは、ある程度の量を蓄え、順々に古い方から使い、日常生活で買い足していきましょう。
・速やかな避難のため・・・紐なしのズック靴、LED ライト、革手袋、レインコート
・なければ困るもの・・・常備薬、入れ歯や補聴器、水と食料、通帳等の番号を控えたメモ
家族みんなで防災会議
日頃から・・・
・あらかじめ、災害時にどの親戚や知人等に連絡をするか、また、どの連絡方法を利用するかを家族みんなで決めておきましょう。
・ふだんから、自宅・学校・職場の近くや、通勤通学途中にある避難所の場所を、家族で確認しておきましょう。
・保育園、幼稚園、学校における、災害時の子どもの引き取りに関する取り決めを、確認しておきましょう。
災害が発生したら・・・
被災した場合には、自分の状況を、自分から家族や知人に知らせるとともに、家族の安否を確認することが重要です。ただ、災害発生時に電話が殺到すると、被災地域内における電話がつながりにくくなり、安否確認や、消防・警察への連絡等に支障が発生します。
友達同士、親戚同士などで安否情報を素早く正確にリレーすることが大切です。
安否確認には、災害用伝言ダイヤル171などのサービスを活用しましょう。
学校や職場で被災した場合は、先生や防災担当の方の指示に従いましょう。
家族の安否と周りの安全が確認できたら、今いる場所で、周囲の人たちと力を合わせて、救出・救護活動などに協力しましょう。
安否確認の方法
安否確認の主な方法には、次のようなものがあります。
体験利用などの機会をとらえて、実際の使い方を覚えておきましょう。
1 7 1 :災害用伝言ダイヤル
( 携帯) :災害用伝言板サービス
web171:災害用ブロードバンド伝言板
ふだんから地域のつながりが大切です
私たちはお年寄りや障害のある方*などを支援するために何ができるのでしょうか?
阪神・淡路大震災で、家の下敷きになった人々の多くを助け出したのは、家族や近所の人たちでした。大規模災害時の救助や避難などには、ふだんの近所つきあいが力を発揮します。また、お年寄りや障害のある方など災害に弱い方々の立場にたった心配りが大切になります。町内会や自治会が中心となって開催される行事で、地域の防災に関する取り組みを知ることができます。また、参加型の防災訓練では、安否確認や救出・救護、炊き出しや避難訓練、避難所生活などを体験できます。
*このような方を「災害時要援護者」ということもあります。
出典:内閣府HP 「減災のてびき」 http://www.bousai.go.jp/km/index.html